先日、MMD研究所が発表した「女性のスマートフォン利用実態調査」の調査結果を見て、興味深く感じました。
調査では、スマホを所有する15歳から49歳までの女性約1500名に、スマホの利用状況について回答してもらっています。
特に興味をひかれたのは、FacebookとTwitterの利用についてです。
調査によれば、Facebookは若年層になるほど使われていない傾向で、1割程度しか利用率がないということです。独身女性では45%の利用率ですが、既婚になると27%程度と利用率が下がります。逆にTwitterは、若年層ほど使われ、年齢層が上がるにつれて利用率が下がり、既婚女性では2割を切っています。ちなみに現在の主流は、どの年代でも圧倒的にLINEです。
若年男子だとFacebookを多用しているというのも、想像するに考えにくいと思います。もしこの想像が正しいなら、今後Facebook自体の利用はあまり活発にならないことも想像できる結果です。
またTwitterに関しても、別の調査結果によれば、44%がツイート経験がないとされています。これと併せて想像すると、Twitterに関しては見ているだけでまず始めてみるが飽きてきて、年を重ねるにつれ見なくなる、ということかもしれません。
FacebookやTwitterが盛り上がるようになってから10年程度でしょうか。その程度の期間で主流が入れ替わってしまうあたり、ネットの世界の移り変わりの激しさを改めて感じざるを得ません。
またLINEに代表されるメッセンジャーアプリは、いまとなっては単なる無料の通信手段というだけでなく、コマースの入り口としての機能も有してきています。LINEをやっていたら企業からお得なクーポンが流れてきて、店の人とチャットして、気に入ったらそのまま買う。こんな購買体験が若年層にとって当たり前になってくれば、それが、これからの買い物の「当たり前」になるかもしれません。
もっと考えれば、LINEではないまったく新しいものがこれから登場して、FacebookやTwitterやLINEのように爆発的に広がり、いまのメッセンジャーアプリでないものが主流になっていく可能性も、否定できません。
ITとは、そんな代物です。このような特質のものに対して、なにかひとつだけに意思決定し固執するのは、かえってリスクです。出てきたものには何でも対応して、廃れてきたら辞めて、別のものにいく、というような柔軟性をもつことが望ましいと思われます。コストは重要ですが、コスト判断をあまり厳密に求めるとそこで立ち往生し、乗り遅れ、追従するころにはまた変わる、ということになるでしょう。
すべてのITに対してこの対応、というのはもちろん現実的ではありませんし、その必要もありません。しかし、少なくとも自社がこだわって先駆者になりたい分野、またはコストを賄いやすいライトな分野に関しては、こうした柔軟性のある組織でありたいものです。